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たかお
「ネットショップ栃惣」担当の
栃惣三代目、たかおです。
残念ながらブログは終了致しましたが、twitter、instagram、facebook 等で近況をお伝えしておりますので是非お気軽にコメントなどを頂けると嬉しいです。
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【せんべい】とは?
色々な穀物、又は海産物の粉を練って焼いたもので、
材料は主に小麦、米、海老粉です。
○米粉
関東を中心とした地域の名物で草加煎餅が有名です。
草加付近では豊富な水に恵まれ、肥沃な田んぼで作られるお米が中質米で煎餅に適しているため、
多くの店が軒を連ねています。
草加せんべいの起源は非常に古く、
数百年前に「お仙」婆さんの団子屋で、余りを潰して乾燥させたものを焼いて売ったのが名前の由来とされていますが、
草加宿一帯の農家では蒸した米をつぶして丸め、
干したもの(堅餅)に塩をまぶして焼き、間食として食べていたそうです。
そして日光街道の宿場町として発展したことで、
この塩味の煎餅が旅人向けの商品として売り出されたことで各地に広まったという説があります。
その後、利根川沿岸(千葉県野田市)で生産された醤油で味をつけるようになり、
現在の草加煎餅の原型となったそうです。
当店のある春日部もまた日光街道の宿場町として栄え、
豊富な水と広大な田んぼがあったことから、地域の米を使った煎餅屋さんが数多くあります。
もちろん他県でも美味しい米を使った煎餅は沢山あります。
○小麦粉
東北の南部煎餅、関西以西の瓦、亀甲、炭酸、にわか煎餅等多数あり、
実は煎餅の起源と云われ、全国的にはこちらの方が多いそうです。
○海老(粉)
名古屋の特産の海老煎餅です。
【栃惣せんべいの作り方】
1:上新粉(うるち米)を蒸気の熱で蒸し上げ、
羽根のついた練り機でまとめた団子状の物(シンコ)を水の張った水槽に入れて粗熱を取る。
*冷却により、お米独特の匂いを洗い流す(アク抜き)効果があります。
2:適度に冷却したシンコを再び練り機で練り上げ、 この時に米粉以外の副原料(青海苔等)を混ぜる。
*冷まし過ぎると、後の生地作りで縮みなどの原因になります。
*1の後に副原料を混ぜるのは風味を損なわせないためです。
3:シンコをのし機で均一に薄く延ばして型に抜く。
*厚みの調整をします。
*型抜きされたシンコを生地と呼びます。
4:生地を干し網に載せて大型乾燥機で乾燥する(一次乾燥)
*昔は天日干しでしたが、機械導入により天候にさほど左右されなくなりました。
5:生地を寝かせる(二次乾燥)
*一枚一枚毎の表面と内面の水分を均一化するのが目的で、
季節によっても、温度、湿度により見極めが難しいものです。
6:生地を温める(ホイロと呼ばれる小型乾燥機にて三次乾燥)
*焼く前の準備で、生地に含まれている水分を最終調整するためです。
*ホイロにかける時間が短いと焼く時に火が通らなくなり、逆に長いと、ガラスの様にひび割れてしまいます。
*当店では60°3時間を目安としています。
7:焼き上げ
*ホイロから取り出した生地が外気に触れて水分が戻らないように保温しながら焼いていきます。
当店では現在、焼成機械を使用して大幅に製造数を増やすことが出来ておりますが
職人の手によりキリで一枚一枚焼き加減を調整して
反りやブク(膨れ)のないように焼き色が付くまで焼き上げる工程は変わっておりません。
*昔使用していた押し瓦(土器)は店先に飾ってあります。
*冬場でも涼しい場所で30度を優に越え、夏場では40度を軽く越える蒸し暑さになります。
8:醤油をつけて乾燥
焼いたせんべいに醤油をハケで塗って乾燥させます。
*醤油は一度煮てから使うと煎餅に艶が出ます。
*乾燥させ過ぎると醤油が焦げて苦味が出てしまいます。
この様な流れで作られる煎餅ですが、
原料と1〜6の生地の出来具合で煎餅焼きの大半が決まるといっても過言ではないほど重要です。
よくお客様に「こちらの煎餅は手焼きですか?」と聞かれることがありますが、
それは煎餅を見て頂ければ一目瞭然なのです。
煎餅の表面にキリで空いた穴があればそれは確実に職人の手によって必要な施しを受けた証です。
反りであったり膨れが広がらないように目で見て手を動かしているからこそ出来る穴を見て、
この穴は何の為に開けられたものだろうと考えてみるのも面白いかもしれません。
きっとお客様が本当に訪ねたいことを聞くには、
「こちらの煎餅は炭火焼きですか?」が正解だと思います。
炭火で焼くことによりふっくらと焼き上がり、また炭火特有の香りが付いて本当に美味しくなるのですが、
残念ながら当店では安くて美味しいものをという先代からの理念があり
炭焼きの商品のお取り扱いはしておりません。
相場としては安くて一枚150円〜炭の質によっては300円くらい、
形によっては500円以上の値になると思いますが、仕上げに炭火をあてて香ばしさを加えている
ものも御座いますので味比べしてみるのも良いかと思います。
また出来れば、
「生地はこちらで作っていますか?」や「原料は米だけですか?」とも聞いて欲しいところです。
現在一般的に主流となっているのが原料に餅米やデンプンを入れていることです。
それによって生地に粘りがプラスされ、ひび割れしにくくまた焼く時に膨らみ易くなる
という点から生地屋さんでは不良品を防ぐためにこの手法が多く使われています。
これはお団子を作る時に砂糖を入れることでいつまでも団子が柔らかく食べられるのと同じことで、
入れるのがダメとか入れないのが良いとかの問題ではなく好みや理念の問題なのです。
個人商店の和菓子屋さんとの笑い話で、
ご年配のおばあ様が「このお団子は明日でも柔らかく食べられる?」と聞かれたそうです。
それを聞いた店主は
おれより長く生きてるのに団子が明日も柔らかいかって時代になったんだなと心で嘆いたそうです。
当店もその和菓子屋さんも同じで自分のところで作ったものに誇りを持って
昔のやり方を残すことが理念なわけで、お客様がご自身で選んで頂けたら良いのかなと思います。
煎餅の製造行程は近年、機械化導入による合理化はありますが、
せんべいが商品化されるまでには数多くの行程を習熟された職人の技術が必要となります。
また、
せんべいと一概に言っても色々な種類があり、
お店によっても独自の原料、米粉の粗さ、蒸す時間、練り突く回数、生地の厚さ、型の大きさ、
種類、堅さ、柔らかさによっても作り方は全て異なりますので、
自分好みのお煎餅屋さんを探してみるのも楽しいかと思います。
私たち家族も日々経験と努力を積み重ね、
1人でも多くの方に『おいしい!』と言って頂けるような『栃惣せんべい』の味を作り、
守り続けていきたいと思っておりますので、ぜひ一度召し上がって頂けることを願っております。